筆者は若い頃、よく会社のゴルフコンペの幹事をさせられていました。その経験から、幹事ですることをお伝えします。なお、私が幹事をしていたのは10年くらい前なので、今は違う可能性があるのでその点はご了承ください。幹事の基本はいかに偉い人を忖度するかに尽きる、というのが当時の幹事ポリシーでした。

ゴルフ場の選定

まずはコンペの2カ月前にゴルフ場を選定して、偉い人にお伺いを立てます。その際、なるべく簡単なコースを選びましょう。どんな人でもスコアが悪ければ機嫌が悪くなるものです。また、ボールが林に入ったり、ロストすると同じ組の人がボールの捜索に駆り出されます。簡単なコースを選ぶのが無難です。また、コンペ会場があるゴルフ場を選びましょう。

偉い人がゴルフ上級者の場合

これが一番のクセモノです。色々とコンペと進め方に口を出してくる傾向があります。幹事としては盛り上がれば良いと思っているのに、上級者はコンペを競技と考えているため、ハンディキャップに制限を設けたがります。そうなると下手な人は、お付き合いで参加しているのに、景品が確実にもらえないという悲劇に見舞われます。さらに上級者は難しいコースを選びがちです。偉い人が上級者の場合、幹事はこのようなプレッシャーと戦わなければなりません。

しかし、ここは負けてはいけません。初心者が多いこと、立地が良いことなど様々な理由をつけて、簡単なコースとハンディキャップを勝ち取ってください。ぶくつさ言われてもいざ良いスコアで回れれば周りがチヤホヤしてくれるので当日は機嫌が良くなるので大丈夫です。

日程を決める

ゴルフ場が決まったら、そのまま偉い人から空いている日程候補をもらいます。もし、あなたが先に日程候補をもらってからゴルフ場を決めた方が効率が良いと思っているようであればそれは間違いです。日程候補をもらう前にゴルフ場を調べておくことで、一回の相談でゴルフ場、日程の両方の意見をもらうことができます。ゴルフ場の候補を探すことは、偉い人に日程を聞く前にできることです。ちなみに、日程を決めるときに希望の開始時間をやんわり聞いておくと良いでしょう。朝7:00スタートは早すぎると文句を言ってくる人がいます。逆に遅すぎると日が落ちるまでにコンペが終わらないことがあります。他の参加者に文句を言われても「偉い人が希望しているんで」という一言で黙らせることができます。開始時間が決まれば大体の人数で予約をしてしまいましょう。

日程を周知して参加者を確認する

メールで日程、ゴルフ場、料金（パーティ代も）、その他を周知して参加者の確認をします。質問が来ないようにメールには詳細の情報を書き込みましょう。参加者のうち、偉い人には個別に声をかけましょう。偉い人は下っ端からのメールに返信をするものではなく、お伺いを立てにくるものと思っている人もいます。お伺いするのにはもう一つ理由があります。「〇〇と一緒に回りたい」「〇〇とは一緒に回りたくない」と言ったオフレコ情報を収集することです。これは大変貴重な情報です。絶対抑えておくようにしましょう。

組み合わせを考える

コンペの組み合わせを考えます。なぜこんなに早く決めるのかというと、参加者に頻繁に聞かれるからです。さらにその組み合わせに対して、〇さんと〇さんは仲が悪いから離せなどと貴重な意見をもらうことができるからです。組み合わせは様々な力学が働くため直前まで変動します。ちなみに一番偉い人は1組目にいれます。場合によっては始球式をして頂きましょう（後述）

配車を考える

車を持っていない人が車を持っている人に同乗するのをサポートします。コンペ内で知り合いがいないということもザラです。

その際、偉い人にも「ピックアップできる方を探しましょうか」とお声がけをすると良いでしょう。ゴルフのランチでお酒を飲みたい人は多いです。もし希望された場合は、住所を聞くようにします。ちなみに、偉い人の同乗を依頼される人からは猛烈な反対を受けることは覚悟しましょう。ひたすら頭を下げるのが攻略法です。誰もやってくれなければ幹事がやります。その努力は誰かが見てくれていると信じましょう。

組み合わせと共に再度詳細メールを参加者へ送る

2週間前くらいになったら再度メールをしましょう。この頃になると参加できなくなった人などが出てきます。人数が減ると料金が変わることもあるので宜しくありません。不参加の人には代理人を探すように伝えましょう。それでも見つからなければ全体の組み直しも考えます。なお、組み合わせは各組実力が同じくらいになるように意識しましょう。自分は末席として最後の組に入ります。但し1組目に嫌われている偉い人がいる場合は率先して1組目に入ることもあります。

パーティーグッズを用意する

コンペ後のパーティーの景品を用意します。パーティ代の予算内で幹事が購入することが多いのですが、参加者数が減ったり、当日雨で中止になると買ったものを処分できないので非常に困ってしまいます。そのため、オススメなのは、各自1,000円くらいで景品を持ち寄るというものです。順位が高い人から順に好きなものを選ぶことができます。これならビリでも1,000円くらいの物を持って帰れます。

もし幹事が用意する必要があるのであれば高級菓子がおすすめです。電化製品やゴルフ用品は必要ない人に当たる場合があるので避けます。なぜ高級菓子が良いかというと、コンペに参加しているお父さんは家族に良い恰好をしたいものだからです。「コンペでもらってきたぞ」といえば家族が喜ぶのでコンペで留守にした後ろめたさを解消することができます。また、帰りの車で渋滞したら非常食にしてもらうことができます。高級菓子はかなり喜ばれます。

コンペ当日の備品を用意する

ドラコン、ニアピンの旗を購入します。始球式の球を購入しても良いでしょう。始球の球とは、打つと煙幕やテープが出てくる球です。コースによっては煙幕や紙吹雪禁止になっているので、事前にルールを確認しましょう。

当日はゴルフ場へ2時間前に到着

ゴルフ場へ2時間前に到着するようにします。必要であれば受付カウンタを出しますが、不要であればなるべく用意しない方がいいです。カウンタを用意したら開始までそこに座っていなければならないので参加者に挨拶をして回れないためです。パーティーグッズは事前に会場へ運び込んでおくようにします。当日は、遅刻の情報が随時来ますので、場合によっては組み合わせを変更するなどの対応が必要になります。

ちなみに当日雨が降っても開催するかは事前に偉い人と決めておく必要があります。基本的に雨天中止の方向で話を持っていきましょう。中止の判断は前日の21:00などと決めておくと良いでしょう。中止の判断は特段でせず偉い人にお伺いを立てるようにしましょう。

始球式と写真撮影

全員スタートホールに集まるように誘導します。写真撮影と始球式を行います。

プレー中

とにかく同じ組の人のボールを探すのを手伝ってあげましょう。いかにボールを見つけるかという競技をしているのだと思うと楽しく探すことができます。

パーティー開始

参加者には風呂に入ったらパーティー会場に集まってもらいます。ちなみにパーティー前にプレーフィーを清算するゴルフ場もあります。大体の場合、幹事は最終組で、その後のパーティーの準備があるので風呂には入りません。また、最終組が下っ端ばかりであれば、上層部を待たせないように風呂に入るのは遠慮してもらうこともあります（パーティー後は入れることもあります）

終了

パーティーが終わったらお見送りをします。全員返した後、ゴルフ場にお礼を言って解散します。

後日

参加者全員にお礼のメールと撮影した写真を送ります。パーティーグッズを自分で調達していた場合は、収支表を添付して会計の透明性をアピールします。次回は自分が幹事にならないように、早々に予防線を張った発言をするようにしましょう。

以上が、幹事としてやっていたことです。コンペによってはもっと手を抜くこともありました。昔はコンプライアンスが今ほど厳しくなかったので、取引先に協賛の景品をたかるというのも幹事の仕事でありました。今思えば、ゴルフ自体をそこまで楽しめていなかったと思います。もっとゴルフがうまければ、ゴルフも楽しみつつ、幹事もできたと思っています。

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